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値段は同じなのに、中身が少し減っている。そんな経験をしたことはありませんか。
2026年10月5日、日本ハムが人気ウインナー「シャウエッセン」の内容量を減らすと発表し、SNSで大きな話題になりました。値段はそのままで、中身が減る。いわゆる「実質値上げ」です。
では、企業はなぜ「値段を上げる」のではなく「量を減らす」という方法を選ぶのでしょうか。そして、同じ内容でも、伝え方で受け止め方はどう変わるのでしょうか。今回は、このニュースから「値段の決め方」と「伝え方」を考えます。
日本ハムの発表と報道をもとに、主力の2束入り商品の変化を整理すると次のとおりです。
値段は変わらず、量は約8.5%減るので、1gあたりの値段で見ると約9%の値上げにあたります。理由について日本ハムは、公式Xで「原料高騰には、あらがえませんでした。」と説明しています。報道によると、中東情勢の影響などによる原材料価格や物流費、エネルギー価格の高騰が背景にあるといいます(TBS NEWS DIG、産経新聞)。
新しい規格は10月1日納入分から実施されています。実はシャウエッセンの内容量が減るのは初めてではなく、2022年10月に127gから117gに減らして以来、4年ぶりの実質値上げです(産経新聞)。
一方で日本ハムは、今回の変更を「リニューアル」とも位置づけています。1本を太くして「食べ応え」を高めたとし、従業員による食べ比べでは「張り」で新しい商品の方が良いと答えた人が72%だった、と発表しています。
コストが上がったとき、企業には大きく2つの選択肢があります。値段を上げるか、値段はそのままで量を減らすかです。後者は、英語で「シュリンクフレーション」(縮む=シュリンク+物価上昇=インフレーション)とも呼ばれます。
つまり「量を減らす」のは、お客さんが慣れた「いつもの値段」を守りながら、コストの上昇を吸収する方法です。ただし、「気づかれないようにした」と受け取られると、信頼を失うリスクもあります。どちらを選んでも、実質的には値上げであることに変わりはありません。
今回話題になったのは、量を減らしたことだけが理由ではありません。発表の「伝え方」も議論を呼びました。
「時代に負けてたまるか」という言葉から、値段も量も守ると期待した人がいたようです。その期待と実際の内容の差が、反発を大きくしたと考えられます。
ここからわかるのは、値上げの「中身」と同じくらい、「伝え方」が大切だということです。理由を率直に説明するのか。改良の面を前に出すのか。予告で期待を高めるのか。一つひとつの判断が、ブランドへの信頼を左右します。
値段や量をどう変え、それをどう伝えるか。その裏には、いくつもの仕事が関わっています。
特にマーケティングや戦略コンサルの仕事では、「数字として正しい答え」だけでなく、「お客さんが納得する答え」を考える力が求められます。
コストが上がる中で、企業は、値段・量・品質・伝え方の組み合わせを考えながら答えを出しています。普段何気なく買っている商品にも、その判断の跡が表れています。
最後に、考えてみてほしい問いを2つ置いておきます。
本記事は公開情報と報道に基づく解説であり、特定の企業や商品を批判するものではありません。