外資系投資銀行 | 就活終了後に簿記を勉強&取得

公開日:2025/04/13

今回はSOLVE5期生(25卒)の方にご参加いただき、投資銀行部門内定後に勉強が推奨される、簿記資格に関するレポートを作成しました。27卒の方やSOLVEに入会を希望される方のご参考になれば幸いです。

就活終了後、内定時代の過ごし方や、内定後しなければならないことに関しては、各社から説明などがあるかと思いますが、少しでもご参考になれば幸いです!

投資銀行部門内定後に関して

簿記資格とは

簿記資格とは、企業や個人の取引を記録・整理し、財務状況を把握するためのスキルを証明する資格です。簿記の知識を持つことで、経理・会計・財務管理の分野で活躍でき、金融業界では、重要なスキルとなります。いくつかの会社では、入社前の簿記資格の取得が推奨されているかと思います。

簿記資格は、日本では様々な母体が発行していますが、日商簿記(日本商工会議所主催)が最も一般的かつ有名な資格かと思います。投資銀行も、この資格を推奨している場合が多いかと思います。

日商簿記には、3級、2級、1級と級が分かれています。投資銀行部門内定者は、簿記2級を勉強すると良いとよく言われますが、簿記3級の続きが簿記2級であるため、3級の内容は事前に勉強しなければなりません。

以下、それぞれの級のレベル感について解説していきます。

簿記3級は、小規模な企業の財務状況を把握し、日常の経理業務ができるレベルの知識を証明します。主に、仕訳(取引の記録)や決算書の作成・読み取りができるようになります。具体的には、以下の内容を中心に学習します。簿記の基本原則(簿記の役割、目的、記帳の流れ)、仕訳(取引の記録、例:「商品を1万円で売り上げ、現金で受け取った」→【借方】現金10,000/【貸方】売上10,000)、主要な勘定科目の理解(現金、売掛金、買掛金、資本金、費用、収益 など)、試算表の作成(正確に記帳されているか確認するための帳簿作成)、決算手続きの基礎(貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)の作成)などです。合格率は、40%〜50%程度と言われています。

簿記2級は、中小企業や大企業の経理業務に対応できるレベルの知識を習得し、財務諸表の作成・分析ができる能力を証明します。簿記3級では商業簿記のみでしたが、2級では商業簿記に加えて工業簿記(製造業の原価計算)が加わります。範囲としては、① 商業簿記(企業の財務管理)分野では、会社の取引記録、決算手続きの実施、財務諸表の作成(貸借対照表・損益計算書)、税務処理や管理会計の基本、株式、社債、引当金などの処理が出題されます。また、② 工業簿記(製造業のコスト管理)分野では、材料費、労務費、経費の分類と計算、製造原価報告書の作成、工場の生産管理・費用配分の理解、CVP(損益分岐点)分析の基礎が出題されます。合格率は、20~40%(試験回により変動)と言われています。

簿記1級は、簿記資格の最上級レベルであり、大企業の経理や財務管理に必要な高度な会計知識と管理能力を証明する資格です。勉強内容がだいぶ複雑になります。簿記3級と簿記2級の差よりも、簿記2級と簿記1級の差分はだいぶ大きいと考えると良いでしょう。学習範囲としては、簿記2級までの内容に加え、1級では以下の高度な内容が加わります。

① 商業簿記(財務会計の高度な知識)(連結財務諸表の作成(親会社・子会社の会計処理)、合併・買収(M&A)の会計処理、リース会計、外貨換算会計、有価証券会計など、キャッシュ・フロー計算書の作成と分析)
② 工業簿記(製造業の高度な管理会計)(部門別・標準原価計算、CVP分析、原価計算と利益管理の手法、予算管理と差異分析(予定・実績の比較)、直接原価計算と全部原価計算)
③ 原価計算(詳細なコストコントロール)(製造業の原価管理の詳細な分析、戦略的コストマネジメント)
④ 会計学(会計の理論・法規)(企業会計原則、会計基準の適用、税務会計、経営分析の応用、IFRS(国際会計基準)の基礎知識)が範囲となってきます。合格率は、約10~15%となっています。

実際の取得方法

証券外務員同様、自分で申し込む必要があります。試験形式は、ペーパー試験(統一試験)またはネット試験(CBT方式)があります。どちらがオススメ、ということはありませんが、ペーパー試験は、試験日数が限られるので、ペーパーを希望する場合は、注意した方が良いでしょう。ネット試験(CBT方式)では、不合格だった場合でも試験の翌日から最短で3日後に再受験が可能です。

この記事はここまでになりますが、続編で勉強法などをご紹介しておりますので、少しでも参考になれば幸いです。また、他のライターによる興味深い記事もあるかと思いますので、就活の息抜きにでも読んでいっていただけると幸いです。

みやじ
執筆者:みやじ

受けていた業界/企業:外資系投資銀行投資銀行部門(就職予定)・外資系戦略コンサルティングファーム

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