本日は3期生としてSOLVEに所属しており、1年目にメガベンチャーに入社後、再び大学院生として学生に戻りつつ、様々な業界で活躍されている乃坂龍誠さんに異色の経歴の背後にある考え方を聞かせていただきました。ぜひキャリア観を広げたい方は一読してみてください!
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中学は水泳部、高校と大学では体育会の應援指導部に所属しておりました。 高校時代は生徒会長もしていました。 大学卒業後は1年間メガベンチャーに就職し、現在は大学院に入学し、国際政治や安全保障などを専攻しています。 籍としては大学院生なので研究に取り組んでおりますが、その他にも安全保障研究・戦略研究を行うシンクタンクなどで働きつつ、フェローシップ活動(新渡戸リーダーシップフェロー13期)、地域の町内会の活動、政治活動なども行なっております。
最初はSOLVEにいる多くの方と同じように、体系的な課題解決能力を身につけたいということで戦略コンサルを中心に就活していました。 しかし、應援指導部の経験の中で、部員の先頭に立って組織を動かす機会に恵まれ、その際戦略を立案することと実行することはどちらも大事だが少し異なると感じました。そして自分はどちらかというと後者の方が得意かもしれないと思ってきました。 また、戦略コンサルのジョブには参加しましたが、楽しいものの、桁外れに優秀な方が戦略立案側にはいくらでもいると感じました。 憧れましたし、刺激をもらいましたが、自分が最も楽しさを感じたり、価値を発揮できたりするのは組織の先頭に立ち動かすことだと思い、裁量権がありつつ、一定の教育の型があるメガベンチャーを選択しました。
1つ目は皆さんと同様だと思いますが、就活の基礎的な情報や技術を身につけることに活用していました。
2つ目は振り返ってみてこちらの方が大事だったなと思いますが、「自分自身を知る」という点でSOLVEをフル活用していました。 どういうことかというと、SOLVEには実際に社会の中で活躍された(代表の)藤村さん、メンター・同期など桁外れに優秀な方々がいらっしゃるんですよね。 そういった方々とメンタリングできる上、固定ではなく様々なメンターと話せるので、メンタリング毎に「自分の基準や実力はどれくらいなのか」「自分の強み弱みは何か」「この人のキャラクターは自分とどの点で異なるのか」などを極めて客観的に把握できる機会を与えてくれました。 そういった意味で「自分を知る」ために活用していました。
難しいですね…笑
ネームバリューがある確実な企業を選んだり、予見可能性が高い選択肢を選んだりした場合は確実なアウトプットが得られると思います。ただ、僕は不可能なことを可能にするためにはリスクを取ることが必ず必要だと思っています。今自分の手元にある確実なオプションでは辿り着けないことに挑むとき、不確実だが化ける可能性のあるオプションが求められると思うんですよね。なので、そういった意味ではリスクを取ることは大事だと思います。
また、少し哲学的な話になってしまうんですけれど、「リスクを取るという行為」は人間を人間たらしめるものだと思います。恐らく地球上の動物の中で人間だけがリスクを取るのではないでしょうか。例えば、ライオンに追いかけられたシマウマは「戦う」という選択は絶対にしないはずなんです。このように、人間以外の動物が不確実な選択から逃げる中、人間は逆に「リスクを取る」という先天的な特権を持っており、それが人類発展の原動力になってきたと思うのです。、私自身は、成し遂げたいことが挑戦するに値するならば、リスクを恐れない生き方をしたいと思っています。
歴史や諸先輩方の経験から学ぶことが多いです。
例えば「ルビコン川を渡る」という言葉があると思います。ユリウス・カエサルはリスクを取って、ローマの歴史を変えました。織田信長も桶狭間で戦力差のある今川義元に対してリスクを取って奇襲し、天下布武への道を歩みだしました。
また、多くの経験をされている先輩方の人生に耳を傾けて、謙虚に学ばせていただくことも重要だと考えています。
やるべきこととやりたいことが重なったら失敗を恐れずやってみるようにします。同時に、トレードオフを恐れないことを意識しています。
勿論、全てを行えば時間資源の配分が難しくなりますが、それによって新しい効率化の方法が創造されると思っています。最初これとこれを行ったら時間がなくなるぞと思っていても、やり始めたら思いもよらなかった効率化が出来たりして、意外と両立出来たりすることはあるのではないでしょうか。
日本が海洋国家であることに着目し、その観点から日本の強み・弱みを分析し、現実的な国家戦略を提言した論文になっています。
活かすべき強みだからです。戦略を考える上で、キャリアや仕事でも同じですがその主体が持つ「固有の特徴」を活かすことが非常に大事だと思います。。その中でも、「地理」が国際関係に与える影響は大きく、日本では「シーパワー」というレバーをいかに使うかが大事だと考えました。
大きく2つあります。1つ目は、リーダーシップの定義を狭く捉えすぎないこと、2つ目は広く捉えた定義の中で自分が行える活動を行ってみて自信をつけることだと思います。
多くの人は「リーダーシップ」というと、何か特定の役職についていて初めて発揮できるものだと考えると思いますが、実はそうではありません。組織の全員が発揮できるものです。僕はリーダーシップとは「組織の目標達成に向かって主体的に動くこと」だと思います。そしてそれはどの立場の人にも出来ることです。このように広く捉えると「全くリーダーシップ経験がない」という人はほぼいないのではないかと思います。その上で、今自分が取り組む活動や組織において最大限の価値を創出するために自分ができることを考えて実行してみる。そして、一つでも目に見える貢献ができればかなり自信がつくのではないかと思います。
一番大事なのは「高い目標を持つこと」です。具体的な企業、理想とするキャリアの姿、年収などなんでも良いです。今の自分からかなりストレッチした具体的な目標を持ち、日々その達成に向けて努力を重ねることです。「今日の自分より明日の自分、明日の自分より明後日の自分」というマインドが自分を突き動かします。何よりも「現状維持は退化」なのです。
次に、「越境すること」です。それにより、幅広い視野を持つことができます。重要なのは、居心地の良い環境から外に飛び出ることです。昔はご近所付き合いや町内会など、一種の「社会装置」が機能しており、半強制的に、自分とケミストリーが合わない人とも交流する機会が担保されていました。しかし現代では、SNSの隆盛、社会の原子化が進み、自分と異なるバックグラウンドや考えを持つ人々との触れ合いが減っています。
これはとても勿体なく、危険なことだと思います。マクロで見ると社会分断の要因の一つでしょう。ミクロで見ても、オルタナティブなものの見方を知らなければ、自分の未熟さを知ることができませんし、同時に自分自身の可能性を狭めることになります。自らの可能性を十分に発揮できない人生は本当に勿体ないと思います。。視野が狭くなりがちな就活でもそうです。多様な人と交流し、教えを請い、自分自身を見つめ直すことが重要です。
私見ですが、地域のスナックなど、その意味で学べることが本当に多い場です。私も地元に、私を応援してくださるお店があり、楽しみながら同時に勉強させていただいています。
いつでも会える友人との飲み会を一度我慢し、そういった場所に行き、カウンターに座って、隣に座る人生の先輩方の話に静かに耳を傾けるだけでも、自分が知っている世界がいかに狭いものか、世界は想像以上に広くて大きいか、学校や教科書では学ぶことができない「生きた学び」を獲得できます。
詳細は割愛しますが、ベストセラーとなった、リンダ・グラットンの『LIFE SHIFT』でも、「変身資産」という言葉で、多種多様な人間関係、いわゆる「社会関係資本」が不確実性を増す社会の中でキャリアのレジリエンスを高めると主張されています。
その通りです。「越境」というとまず最初に思い浮かべることは海外留学ですが、今は為替や学費の高騰でハードルが上がっています。ただ、最近まで韓国に留学していたが友人が「実は多様性は国内で安価に学べるものだよね。」って言っていました。同じ日本でも自分と全く異なる人の世界観や考え方に触れることで新しく気付くことは多いと思います。なので、色々な経験をして、様々な方に教えを乞うことをすごく大事にしています。
はい。
はっきりしています。ここでは、抽象的な表現になってしまいますが、どういう立場であっても「自分よりも大きな目的に尽くす生き方をしたい」と思っています。常に高い目標や不可能だと思えることに挑戦・追求し続けたいです。マックス・ウェーバーの『職業としての政治』に好きな一節があります。「もしこの世の中で不可能事を目指して粘り強くアタックしないようでは、およそ可能なことの達成も覚束ない」という部分です。自分より高い目標を立てて覚悟を決めて、そこに進んでいく。そしてその結果、日本人が誇りや自信を持てるような社会の構築に貢献することが大きな目標となります。
恐らくインプロキャリアのサイトを見るのは難しい企業に入ることを目標に努力をしている方だと思います。そういった方に自戒も込めてお伝えしたいこと、キャリアを考えるうえでもう一つ認識しておくべきことなのは、「挫折や敗北、屈辱から這い上がることが大事だ」ということです。
あらゆる歴史の中で大きな物事を成し遂げた人って必ず不遇・敗北の時代を味わっています。長い人生、常に勝ち続けることはできません。例えば、チャーチルの人生は波乱万丈でしたし、ド・ゴールもロンドンに亡命したり、フランスを解放した後に政権の座を失ったり、徳川家康も織田信長との関係を保つために自身の妻と子に切腹を命じたり、そういった屈辱をを乗り越えて彼らの栄光があるわけです。就活中の皆さんも、選考結果を見ながら、時に唇を噛みながら屈辱に身体を震わせることもあるでしょう。私もまだ何も成し遂げていませんが、振り返っても、そして今も失敗と挫折ばかりです。でもそんな時こそ、いかに自分を奮い立たせ、リターンマッチに挑むかでその後の人生は大きく変わるはずです。最後にもう一度、ウェーバーの言葉を借りますが、「どんな事態に直面しても『それにもかかわらず!』と言い切る自信」これがキャリアを成功に導く本質だと思います。
SOLVE3期生。 2023年3月に慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、株式会社Speeeに就職。退職後、慶應義塾大学法学研究科政治学専攻に入学し、現在は国際政治や安全保障に関する研究を行いつつ、フェローシップ活動(新渡戸リーダーシップフェロー13期)、地域の町内会活動、政治活動、論文執筆(第21回国際政治・外交論文コンテスト 自由民主党 国際局長賞受賞)など多岐に渡って活躍中。