外資系投資銀行の選考対策 | 知っておきたい資本市場1

公開日:2025/04/09

今回はSOLVE5期生(25卒)の方にご参加いただき、資本市場に関するレポートを作成しました。27卒の方やSOLVEに入会を希望される方のご参考になれば幸いです。

資本市場に関するトピックは、金利や債券、株式など、様々な要素が複雑に絡み合うため、最も理解が難しいトピックの一つですが、直近では急速に円安が進んでおり、注目を集めています。投資銀行の資本市場部門や、セールスを志望する学生だけでなく、M&Aに関わりたいと思う学生など金融業界を志望する学生は、しっかり時間をとって理解しておくべきでしょう。

どうやって勉強すべき?

目指すべきラインとして、全てを完璧に理解するのは厳しいという前提の元、身の回りの金融市場のトピックや関連性を説明できるようにすれば、ほとんどの面接やジョブに対応可能だと思います。

面接で予想される質問としては、3年後のドル円レートを予測して、という質問や、日経平均は今後上がると思うか、下がると思うか、など、金融市場が何によってどう動くのか、という仕組みを理解した上で、論理的に説明できるかを試す質問が多いかと思います。

「金利が上がると、株価が下がり、流通市場での債券価格も下がる」のように暗記するのではなく、なぜそうなるのか?をきちんと理解し、説明できるようにしましょう。

M&Aなどは、以前記事でもご紹介した通り、参考書で勉強するのが一番早いかと思いますが、資本市場関連では、各プロダクトが複雑なためか、体系的に説明してくれている参考書はほとんどない印象を持っています。

私が就活生の時には、その時に話題になっている資本市場関係のトピック(今ならば、日米の金利の調整とそれに付随する為替レートや、高値で推移していた日経平均株価に関する話題などが当てはまるでしょうか)のニュースをいくつか見てみて、理解できていないと思うロジックや単語をピックアップして、それに関する記事を芋づる式に探して、一つ一つのテーマに関する理解を深めていく、という手法をとっていました。また、Youtubeでニュースなどを検索すると、そのニュースの背景を専門家が説明している動画が出てくるので、おすすめです。

この記事シリーズでも、いくつか書いていこうと思うので、少しでも参考になれば幸いです!

ざっくり、金利と、為替と株式と債券の関係は?

金利が上昇すると、一般的には株価が下がり、流通市場での債券価格も下がります。株価に関しては、企業は銀行などから融資を受ける際に、利息負担が重荷になるため、借り入れが厳しくなり、設備投資額が減ります。すると、将来に向けた成長投資が減るため、将来的な業績上昇が危ぶまれ、株価が下落します。債券価格に関しては、今までに発行されていた債券が3%だったとしましょう。金利が上昇し、新たに発行される債券の金利が5%になったとします。すると、すでに発行されている債券の相対的な魅力度が低下するため、債券価格は下がります。

一方で、銀行系の企業に関しては、利上げにより、貸し出しの利ザヤ改善が見込まれ、株価が上昇する場合が多いです。また、為替は、基本的には日米の金利差で決まります。高金利の通貨で運用したほうが多くの利益が見込めるため、金利が低い通貨から高い通貨へ移動します。 米国金利が日本金利より高い状態では、日本から米国に資金が流れ、円安ドル高が進みやすくなります。 反対に、日米金利差が縮小すると円高ドル安が進みやすくなります。日本の金利が上がり、円高に触れると、 輸出企業の円換算での利益が減るため株価が下がる傾向にあります。

金利が低下すると、一般的には 株価が上がり、流通市場での債券価格も高くなります。株価に関しては、金利が低下すると、企業は、銀行からの融資などを受けるハードルが減り、金利が高い時よりも設備投資する額を増やすことができます。すると、将来の業績予想値も高くなり、株価が上昇します。債券価格に関しては、今までに発行されていた債券が5%だったとしましょう。金利が上昇し、新たに発行される債券の金利が3%になったとします。すると、すでに発行されている債券の相対的な魅力度が上昇するため、債券価格は上がります。

一方で、銀行系の企業に関しては、利下げにより、貸し出しの利ザヤ悪化が見込まれ、株価が下落する場合が多いです。また、日本の金利が下がり、円安に触れると、トヨタなどの 輸出企業の円換算での利益が増えるため株価が上がる傾向にあります。

金利に対して、株価と債券価格は上記のように反応しますが、通常、好況(株価上昇)→金融引き締め(利上げ)→債券価格下落、というような流れがあるため、株価と債券価格は負の相関、と言われることもしばしばです。



この記事はここまでですが、少しでもこれから就職活動を始める方々の参考になれば幸いです。また、他のライターによる興味深い記事もあるかと思いますので、就活の息抜きにでも読んでいっていただけると幸いです。

みやじ
執筆者:みやじ

受けていた業界/企業:外資系投資銀行投資銀行部門(就職予定)・外資系戦略コンサルティングファーム

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