2024/12/02
難関就活対策

あらゆる選考の足掛かりでリード!企業に響くESの作り方

今回の記事からは就職活動で最も重要な選考対策のトピックを扱います。
エントリーシート(以下、ES)はほとんどの企業で課されるステップで、選考フローの最初に位置することが多いです。業界や企業により重要度に差はあるものの、多くの場合面接などの選考後半まで影響してくる要素です。最初のステップだからと気を抜かず、リードして次を迎えられるよう対策を考えていきましょう。

この記事では、3つの視点からES作成にあたって心掛けるべきポイントをまとめています。作成経験が少ない人は今後のヒントに、何度か作成したことがある人はそのESと照らし合わせて検討してみてください。

1. 数値化と具体性の強調

ESでの数値化や具体化は、自身の成果やスキルを視覚的に伝える重要な方法です。数値や具体的な変化を示すことで、読み手は結果のインパクトを直感的に把握しやすくなり、具体的なエピソードとして記憶に残りやすくなります。

A.実績の数値化によるインパクトの表現

「50人の団体のリーダー」「作業時間を20%短縮」など、具体的な数値を用いることで成果がどの程度有効だったかを明確にすることができます。これは成果の裏付けの基本ですが、注意点がいくつかあります。

成果は「変化」がわかる数値にする

成果の数値化では「変化」を表すことが重要です。例えば、結果として「80%になった」では行動や施策によってどのような効果があったかが分かりません。進捗率や成果がどのように改善したか、前後の状態または変化率を明示することで、自身の行動のインパクトを伝えやすくなります。貢献度を定量的に示すことで効果が視覚的に伝わり、選考担当者にとっても評価しやすい内容になります。

変化の持つ意味を示す

数値化した変化がどれだけ意味を持つかを検討することも重要です。その変化がチームや周囲の人にとって価値があるかを見極めることで、アピールに説得力が加わります。「新入部員を1.5倍に」という数値は、部員を増やす施策の成功以上に、部員が増えることによる団体の財政状況やチーム力の改善に貢献する場合が多いでしょう。数値の示す変化に付随したメリットがあるかまで考えておくと、説得力のある説明になります。

指標の恣意性を軽減する

「この変化は本当に施策の効果か?」と疑義を持たれる場合があります。前月比での売上向上に対して、シーズンによる動きではないかといった具合です。この点を考慮して、なるべくクリアに効果が伝わる指標を選ぶか、それが難しい場合は説明を加えることで同意しやすい主張にすることが重要です。

B.ストーリーテリングと適切な具体の深掘り

ESで経験や自己PRを印象づけるには、単に成果を並べるのではなく、ストーリーテリングを用いて経験を具体的に、かつ伝わる形にすることが効果的です。ストーリーテリングは、課題・行動・結果・学びのフレームワークに基づき、自身の行動やその背景を深く掘り下げることで、意図と行動のつながりを明確化できます。

課題から行動への具体的な流れを示す

まず直面した課題を明確にし、その課題をどう解釈し、最終的にどのような行動に至ったかを具体的に描写します。行動に至った経緯や意思決定の過程を示すことで、背後にあるあなたの考え方や価値観を理解しやすくなります。他のチームメンバーはどう考えていたか、期日までどれくらいの時間があったかなど、視点を広げて検討することがヒントになる場合もあります。
いきなり特定の字数で流れを適切に表現するのは難しいので、字数制限なしで詳細にまとめてから、情報密度を高めるというやり方がおすすめです。

結果を具体化し、学びや貢献につなげる

A. の「変化を持つ意味を示す」と類似しますが、取った行動がどのような結果につながり、変化の価値はどのようなものかを示します。成果を具体化し、状況がどのように変わったかを表現することで、行動の意義が明確になります。
加えて、得られた学びや成長、自己PRの場合は企業でどのように貢献できるかにも言及するとよいでしょう。「リーダーとしてのモチベーション管理や優先度の判断力が向上した」などのように、経験と自身の成長をリンクさせることにより、説得力が増します。

生成AIの精度向上により、誤りのない「それっぽい文章」は誰にでも書けてしまう昨今ですが、ストーリー性を担保して独自性のあるESを作成し、差別化することは可能だといえます。

2. 企業視点でのエントリーシート作成

ESで企業に自身を効果的にアピールするために、企業視点を意識することが重要です。企業は応募者のスキルや経験に加え、価値観や求める人物像との適合性、さらにはビジネス上の貢献ポテンシャルを見ています。この視点を理解しESに反映することが、理想の志望動機や自己PRへの近道です。

企業が重視する価値観の理解

企業は、単に能力やスキルが高い人材を求めているのではなく、企業文化に合う人か、つまり自社のミッションや価値観を理解した行動ができるかも見ています。ESでは、企業の価値観に基づいて経験や考えを表現することが求められます。例えば「挑戦を重んじる企業」であれば、様々な選択の中から挑戦を選び、やり遂げた経験やそこから得た学びを取り入れることで、説得力が生まれます。

企業文化に応じた自己PRの表現

企業はあらゆる選考フローで、応募者が企業文化に合っているかを慎重に見極めます。そのため、単なる長所のアピールではなく、自身の経験やマインドと企業文化の親和性を意識して伝えると効果的です。チームワークを重視する企業には仲間との協力を通じて成し遂げた経験を、リーダーシップを評価する企業には、周囲を巻き込んで主導した経験を伝える、といった形がよいでしょう。
企業文化の価値観理解および表現には、企業研究が不可欠です。前の記事にあるように、公式情報を適切に活用しつつOB・OG訪問などを通じて得た生の情報をエピソードに取り入れることが有効です。

志望動機に説得力を持たせるポイント

企業が最も重視する要素に、志望動機があります。「働いてみないと分からない!」というのはもっともなのですが、就活生として最低限理解すべき情報と持つべきキャリアイメージはあります。
避けたいのは、企業情報の表面的な部分をなぞった「志望企業のいいところ紹介」のような志望動機です。表現すべきなのは、自身のキャリアイメージや大切にする価値観があり、キャリアをスタートさせるにあたってその企業が最適である理由です。この考えを基にすると、志望動機につなげやすい過去の経験がおのずと決まってきます。
さらに企業の視点として、スキルや経験をどのように活かせるかを述べることで、将来の貢献イメージを持たせることも重要です。例えば「業務の中で広い業界に携わることができる」という理由は、採用側のメリットにつながりません。これを具体的に表現することが、差別化にもつながります。

~記事の終わりに~

ESは単なる応募書類ではなく、企業理解と自身の経験をどう結びつけるかが問われる重要な局面です。数値化やストーリーテリングで具体性を持たせたエピソードと、企業の価値観や文化に合わせた表現で、魅力を最大限に伝えましょう。企業研究と自己分析を役立てながら、自分にしか書けない説得力あるESで選考をリードしていってください!

WRITER:高尾

(受けていた業界) データサイエンティスト職を中心に、戦略/総合コンサル、投資銀行、広告、メーカー、メガベンチャー等約100社

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