今回はSOLVE5期生(25卒)の方にご参加いただき、外資系投資銀行の選考でも話題に上がりがちなPEファンドに関するレポートを作成しました。27卒の方やSOLVEに入会を希望される方のご参考になれば幸いです。
PEファンドとは、未上場企業や事業部門への投資を行い、その企業価値を高めた後に株式を売却して利益を得る投資ファンドの一種です。売却手段としては、IPO(株式公開)や他企業への売却(M&A)が一般的です。通常、中長期的な投資(3~7年程度)が行われます。投資した企業が成長し、企業価値が高まることで得られるキャピタルゲインが主な収益源です。
PEファンドは、日本では新卒で入社できる場合は少なく、新卒では、外資系投資銀行の投資銀行部門やコンサルティングファームに入社し、中途で転職することが一般的かと思います。
PEファンドと一口に言っても、日系・外資系、ファンドサイズの大きさや、投資対象サイズ・領域によって、種類分けでき、仕事内容も変わるかと思います。
スモールキャップでは、企業価値100億円前後の会社を超える会社を買収し、バリューアップしていきます。ビジネスがまだ小さい段階のため、ファンドの人が常駐するなどして、しっかり中に入り、ビジネスに必要な仕組みを整えたり、ビジネス領域を拡大したりする手伝いをしていきます。ビジネス自体に触れる場面が多く、経営陣と一緒にビジネスを伸ばす、というのが一番実感できるのはスモールキャップかと思います。また、後継者不足ニーズに応えることも割と多いかと思います。
ミドルキャップでは、企業価値数百億円から1,000億円程度の会社を買収し、バリューアップしていきます。ビジネスが一定の規模に達した会社の成長戦略などを考えます。
ラージキャップでは、企業価値1,000億円を超える会社を買収し、バリューアップしていきます。調達額も多額になるため、ストラクチャーの複雑度が増し、スモールキャップ・ミドルキャップより、高度な金融知識が求められる点が特徴です。また、バリューアップに関しても、元から一定高度な社内の仕組みを持っている企業の価値をさらに上げていくことになるため、難易度が高くなるのも特徴です。
外資系投資銀行投資銀行部門や、外資系戦略コンサルティングファームなど、PEファンドに転職しうる業界に内定すると、インターンのチャンスがもらえたり、もっと詳しくお話をお伺いしたりする機会もあるかと思います!
日本では近年急速にPEファンドによる買収案件が増え、市場において影響力を増しています。ラージキャップの案件だと、近年では、KKRによる日立物流や、ベインキャピタルによる、オリンパスのエビデント事業(顕微鏡事業)買収などの案件などがありました。かつては、PEファンドはハゲタカと呼ばれることもあり、敵対的なイメージが定着したこともありましたが、実際には友好的な買収を行うことがほとんどで、高齢化が進む日本において、事業承継ニーズに答えたり、コングロマリット企業(異なる業種や産業の複数の企業が経営統合して1つの大きな企業グループを形成している企業)が選択と集中を推し進める中で、その受け皿になったりしています。
外資系投資銀行就活における面接においては、「PEファンドに興味ないの?」「数年で辞めてファンドに行っちゃわない?」などと聞かれることもあるかと思います。
外資系投資銀行側としては、新卒から育てて、一人前に仕事ができるようになった人材がファンドに転職してしまうと、人手不足に陥ってしまうリスクがあるため、PEファンドに転職しそうな人材はあまり雇いたくない、というのが本音かなと思います。
そのため、就活の段階では、PEファンドではできないが、投資銀行部門ではできること(投資銀行の方が、幅広いアセットにアドバイスできるという点や、より長期的な目線でアドバイスできる、など)に魅力を感じていることを伝えるのが無難かと思います。
この記事はここまでですが、少しでもこれから就職活動を始める方々の参考になれば幸いです。また、他のライターによる興味深い記事もあるかと思いますので、就活の息抜きにでも読んでいっていただけると幸いです。
WRITER:みやじ
外資系投資銀行投資銀行部門(就職予定)・外資系戦略コンサルティングファーム