前の記事ではブランドやバックグラウンドの強さの活かし方を紹介してきました。一方で、これらに慢心して就活ですべきことを怠ってしまったり、かえって強いプレッシャーを感じて本来の実力が評価されなかったり、失敗を重ねてしまう人が多いのも事実です。本記事では、よくあるミスを知ることで、先回りして効率よく結果を残すためのヒントを提示していきます。もちろん失敗は悪ではなく、学びを与えてくれます。しかし、避けられるミスと絶対決めたい場面での失敗は防ぎたいものです。いくつかモデルケースを見ていきましょう。
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「学歴があるから/留学しているから/資格を持っているから大丈夫」などといった自信が過信につながり、企業研究や面接準備を軽視してしまうことは、非常に多くの就活生が陥る失敗の一つです。特に難関企業では、個人の能力だけではなく、企業が求めるスキルや適性を十分に理解し自己分析を深めた上での準備が求められます。
例えば、面接で「なぜ当社を志望するのか?」と聞かれた際に、表面的な知識しか持たず、「志望企業のいいところ紹介」のような回答をした場合、差別化が困難になります。これでは面接官に「本当にうちの特徴を理解した上で面接に来ているのか?」と疑問を持たれてしまいます。
企業の求める人物像や事業戦略を徹底的にリサーチし、自身の経験や価値観とどのように結びつくかを明確にすることが重要です。リサーチは受動的に行うのではなく、仮説を持ちながら実施すると思考力と意欲を同時に表現できてよいでしょう。具体的には、以下のアプローチが有効です。
・企業のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を理解し、自身の志向性やキャリア目標と照らし合わせる。・OB・OG訪問を通じて、社員や企業のリアルな姿を把握して自分なりに咀嚼し、志望動機に落とし込む。・自己分析と企業分析を組み合わせ、親和性が高いと思われる具体的なエピソードを交えて志望理由を強化する。
能力はあくまで選考序盤から中盤のスクリーニングとして捉え、自分から企業に歩み寄る姿勢が取れるか、さらにその姿勢を取っているように見せられるかに拘っていきましょう。
「謙虚さ」が美徳とされる傾向が日本文化には存在しますが、就職活動においては経験に基づいた自分の強みや実績を的確に伝えることが求められます。
例えば、グループディスカッションや面接の場で自己主張を控えすぎることで、自分の強みが十分に伝わらず、評価される機会を逃すことがあります。自己アピールの際に、抽象的かつ控えめに表現してしまうと、企業側に「具体性や主体性に乏しい」「落とす理由はないが、採る理由もない」と受け取られるリスクがあります。
自己アピールの際には、謙虚さを保ちつつも、自分の経験や実績を適切に伝えるスキルを磨くことが重要です。そしてアピールする内容の説得力を確保するべく、エピソードの中で発揮した強みとそれが与えた影響を明確化させるとよいです。具体的には、以下のアプローチを取ってみましょう。
・エピソード内容を整理する:過去の経験をSTAR(状況・課題・行動・結果)フレームワークに沿って説明し、成果を定量的に示す。・他者の評価を活用する:周囲からのフィードバックを活かし、自分の強みを客観的に整理し、面接での回答に反映する。・自己PRの練習を重ねる:模擬面接や自身の発言の録画を活用し、伝え方における改善点を見える化することで克服する。
企業は「求める人物像」に近い学生を高評価する傾向にありつつも、「その人らしい良さ」を見出そうとします。原稿を読み上げるような話し方ではなく、自分の言葉で表現できるのが理想です。
「大手/有名企業に行けば安心」という考えにとらわれ、自分の価値観やキャリアビジョンを十分に考えず、安易にキャリアを決めてしまう例を多く見ます。この場合、内定を得られたとしても、入社後に企業文化や働き方に馴染めず、ミスマッチを感じて早期退職につながるケースが多いです。
例えば、個人の裁量が重視される働き方をしたいと自身では考えていたものの、チームワークを重視する有名企業に行くことを早期に決断したために、実際の働き方に違和感を覚えることがあります。
・就活の軸を持ち、就活フェーズにより更新する:仕事において何を大切にしたいかを動的に捉え、言語化する。優先順位も考慮するとよい。・企業文化を徹底的にリサーチする:企業のインタビュー記事の閲覧や実際の社員との会話を通じ、職務環境や求められるマインドを把握する。内定後にリサーチの選択肢が増えることが多いため、内定してからよく吟味する。
就活中は、まず内定を得ることが主目的になると思いますが、キャリアの決断に至っては自身の将来を見据えて最適なファーストキャリアを選択することが重要です。
就活中はSNSなどで他人の成功が目に入りやすく、他者と比較しすぎることで必要のない焦りやストレスを感じ、心身のバランスを崩すことがあります。
例えば、自身が通過できなかった選考の通過報告や内定報告を見て焦るあまり、本来の自分のペースを乱すケースが多く見られます。この状態では本来集中するべきことを深く考えることができず、一貫性のない回答につながりかえって通過率が低くなってしまいます。
・計画的なスケジュール管理を徹底する:応募企業や選考プロセスをリスト化し、選考の進捗を把握する。この行動により、「○○までは完了した」と自分軸で進捗をコントロールできるようになる。・SNSの利用時間を抑える:SNSは基本的に情報収集の手段だと割り切ることも重要。関係ない要素に気を逸らされないよう、SNSの利用時間を制限することでメンタルを安定させやすくなる。・ポジティブなフィードバックを意識する:これまでの成功体験を振り返り、自信を持つことがモチベーション維持につながる。適度に趣味やリラックスの時間を取り入れることも有効。
キャリアを最終的に決めるのは自分自身です。他人の状況が気になるのはよく理解できますが、まず自分を気にかけることが長期的な成功につながります。
~記事の終わりに~就活において失敗はつきものですが、そこから何を学び、どう次に活かすかが成功への鍵です。今回紹介した失敗例を踏まえ、しっかりとした準備と対策を行うことで、より納得のいく就職活動ができるでしょう。
・企業研究を深め、バックグラウンドに慢心せず確かな実力を示す・自己アピールを磨き上げた上で、自信を持てるよう練習する・内定後こそ企業文化との適合性を見極める・焦らず自分のペースで進めることを忘れない
これらを意識し、より戦略的に就活を進めていきましょう。
受けていた業界/企業:データサイエンティスト職を中心に、戦略/総合コンサル、投資銀行、広告、メーカー、メガベンチャー等約100社